ネットブック/UMPC(Ultra Mobile PC)は2007年のEee PC発売(日本では2008年初)以来、すっかり定着した感がある。元は容量の小さなSSDモデル向けのWindows XP ULCPC(Ultra Low Cost PC)というOSもあるが、Eee PC台湾発売時4モデルのうち3モデルはXandros(Linux)だったし、DellのUbuntuモデル(Inspiron mini 9)も気になる。昔からモバイルノート、たとえばThinkPadのXシリーズが大好きで、s30ピアノブラックなら今でも欲しい。
正月明けのアキバで12月発売のlenovo IdeaPad s10e(レビューはここが詳細)の中古を3万台で発見。やむを得ず?購入。16:9にこだわった10.1インチ光沢液晶は1,024×576(s10は600)でわずかに下部表示ボタンが切れる、キーピッチ17mmだが日本語で多用する、。キーが狭い、LinuxベースのLenovo Quick Start(Splashtop)がXP Homeとのマルチブートで高速起動するがタッチパッドが敏感過ぎて調整もできない、などなど使っているうちに気になる点は出て来たが、重さ(1.38kg)とバッテリー(5時間)、それに価格を考えるとまずは満足。ちなみにQuick Start時の日本語入力へはctrl+spaceで切り替える。AirMacとウインドウズの無線LAN接続障害(WEP, チャンネルなどによる)もLinux側なら問題ない。
ネットブック向けのAtomプロセッサ搭載機はチップセット、メモリ、ディスプレー解像度上限などが決まってしまい、どれも似通ったスペックになるという。トラックポイントがなくて悲しむ向きもあるようだが、好みで選ぶとThinkPadの親戚ideapadにひかれるのは仕方ないか。初代ネットブックが中古市場に出回り始めるだろうから、1万円台のをさがしUbuntuをUSBメモリからインストール、というのが新ゼミ生の課題になりそう。
ネットブック
2009年01月06日 · Computer&NET
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マレーシア:多民族社会の中の華人文学
2008年11月16日 · Malaysia
月末の東南アジア学会シンポ《東南アジア現代文学の眺望―作家、歴史、社会》の要旨を書いてみた。1991年にこの学会の関東例会(東京女子大)で「マレーシアにおける華人文学の発生と展開」と題して初めて馬華文学の発表をし、「マレーシアにおける中国文学の形成」と修正された顛末を描いた「開廷審訊」(シルビア・シエン)が、現地で六字輩らの「経典論争」を呼んだ。1998年に同じ学会の研究大会で「マレーシア華人による文学史の創出」という自由研究発表をして決着をつけた気でいたが、今から思うと方修、苗秀でシンガポール文学のはなしと思われたかもしれない。それから10年経ってまたこの学会のシンポジウムで、今度こそ国民国家の枠組に回収されない現実の姿を知らしめたい。
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毎日90万部の華字紙が売れ、700万華人の90%が華語小学校に通う国。マレーシア華語系華人文学(馬華文学)はそこにある。所詮新聞の総部数の三割、人口比の四分の一に過ぎず、マレー人に劣る出生率で未来の相対的沈下を危惧する声もある。しかし、文学の発表媒体としての華字紙、リテラシーを保つための民族語教育と、それらを支える社団が存続するためには十分な絶対数とも言える。
国語マレーシア語で作品を発表するのはマレー人作家はもちろん、タミル人のウタヤ(1972-)だけでなく、リム・スウィーティン(1952-)ら華人作家も少なくない。国立言語図書研究所(DBP)には、民族文学間の相互交流としてウスマン・アワン(1929-2001)を中心に発足したマレーシア翻訳と創作協会の活動もある。
しかし、華人中高生の文化英雄は、リムらマレーシア語作家でなく、華人私立高校から台湾留学し、彼の地の文壇で活躍する黄錦樹(1967-)や陳大為(1969-)といった「六字輩」(六十年代生まれの)「留台」作家たちである。
本報告は台湾留学組と同年代で、国内に留まり作家活動を続けるリー・テンポ(李天葆,1969-)の作家と作品について、多民族社会マレーシアにおける文学の一断面と捉え、「文化中国」(中華文化圏)との関わりを交えて紹介する。
クアラルンプール生まれのリーは、広東大埔系客家を父に持つ現地第二世代の華人である。マレーシアで準公立華語小から私立華語中高に進み、卒業後は中国福建省、廈門大学の通信コースで学び、私立中学の華語教師を勤めた。その作風から海外華人世界の代表的張(愛玲)派作家と呼ばれる。『傾城の恋』の張愛玲(1920-1995)は、四十年代上海で活躍した女性作家であり、今も中華文化圏で広く読み継がれている。
現代マレーシアにあってなぜ四十年代上海なのか?二十一世紀に入り、祖籍地(祖先の原籍地)中国からの「乳離れ論争」が、他ならぬリーの作品を契機に巻き起こった。彼は桃源郷としての上海モダンを酷愛し、その面影をツインタワーはじめ高層ビルが居並ぶ大都会クアラルンプールに探す。茨廠街(ペタリン通り)のチャイナタウンや、新街場(ピール通り付近)のような華人の生活区がそれに当たるが、タミル人のブリックフィールドやマレー人のチョーキットも、それぞれの民族毎に同様の感興を呼び覚ますだろう。
イギリス植民地時代に契約移民として海を渡った華人の文学は、紛れなくポストコロニアル文学の一環である。リー・テンポの文学は「文化中国」の、またマレーシア文学の周縁と切り捨てることができるだろうか。張愛玲が「上海」で活きたように、リー・テンポは吉隆坡(クアラルンプール)で活きているのに。
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バリ島のホテル・ヴィラ・ホームステイ
2008年11月08日 · FYI
4年舛谷ゼミ 自主旅行報告会
バリは神々が棲み,芸術の島なのか? 最新(2008/11/3-9)の状況を交え、観光の島バリを観光生の視点で報告します。
日時:11月12日(水)12:20-13:00
場所:N346(3限後はN243に移動)
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IVY Festa2008
2008年11月04日 · Tour
立教大学新座キャンパス学園祭(IVY Festa)にゼミでフリマ参加した。広州合宿で自分が「おみやげ」と思うものを買い集め、実際売ってみてどんな反応か見てもらうのが目的の一つだったが、RLUG(Rikkyo Linux Users Group)調整のリナックスPCの客寄せ効果もあり、初日午前で品物がなくなりそうになった。
パソコンはリユースのノートPCで、CPUクロック800MHz以上のはUbuntu6+OpenOfficeで5千円、500MHz以下のはVine3/ネット専用で3千円程度としたが、セカンドPCとして7台も売れた。メイプルストーリーなど、ネットゲーム目当ての子どもには見向きもされなかったが、シニア層が説明を聞いて買っていったのには驚いた。RLUGの一回サポート券をつけたが、今のところ平穏だ。
三学部七学科になり、新座学園祭も参加者、来場者が増え、ずいぶんにぎやかになった。二日目は午後早くに飲食の模擬店が売り切れで、昼食に困るほどだった。ダンスサークルの学生の見たこともないような笑顔に接したり、やはり“お祭り”は楽しい。
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東南アジア現代文学の眺望:作家、歴史、社会
2008年10月23日 · Area Studies
第80回東南アジア学会研究大会シンポジウム
2008年11月30日,東京大学駒場キャンパス
9:30-9:35 趣旨説明
青山 亨 (東京外国語大学)
9:35-10:05 発表1
インドネシア:「文学コミュニティ」から見える文学実践の多様化
澤井志保 (東京外国語大学大学院/香港中文大学大学院)
10:05-10:35 発表2
マレーシア:多民族社会の中の華人文学
舛谷 鋭 (立教大学)
10:35-11:05 発表3
ベトナム:ファム・コン・ティエンの詩学
野平宗弘 (廈門大学外文学院)
11:05-11:20 休憩
11:20-11:50 発表4
タイ:タイ現代文学の登場と新ジャンルの挑戦
アット・ブンナーク (タイ中小企業開発銀行)
11:50-12:20 発表5
カンボジア:内戦終結後からの再出発
岡田知子 (東京外国語大学)
12:20-13:30 昼食休憩
13:30-14:30 会員総会
14:45-15:00 コメント1
小野正嗣 (明治学院大学)
15:00-15:15 コメント2
押川典昭 (大東文化大学)
15:15-16:15 総合討論
趣旨説明
東南アジア研究の歴史を振り返ってみたとき、文学の研究は、その一角において、もっとも大きな流れでこそなかったかもしれないが、確固たる位置を占めてきた。東南アジア研究における文学研究は、文学固有の問題群を分析する試みであったばかりではなく、文学を通して東南アジアの社会を理解するための探求の試みでもあった。けだし文学は社会的な存在である人間の創造物であり、言語というコードの共有と読み手の存在を前提とする以上、これは当然のことであろう。インドネシアの作家プラムディヤは、文学の理解は人間の理解である、と述べているが、まさに東南アジアの文学研究は、文学を通じて東南アジアの社会、そこに生を営む人々を理解しようと努めてきたのである。
このことは、社会の変化に応じて文学、そして文学の理解もまた変化していくことを意味している。20世紀において、東南アジアの多くの地域が列強の植民地支配のもとにあったころ、あるいは、第二次大戦後に独立を達成し国民国家の建設に全力を尽くしていたころ、あるいは、東西冷戦を背景にした戦乱の渦中にあったころ、文学が文学としての使命に真剣に向け合おうとすればするほど(そのことと作品の価値とは別のものであるし、作品がどのように表現されるかは個々の文学者の意識に委ねられるものであるが)、作品には、近代化、国民統合、抗戦といったその時代の社会的なプロジェクトの潮流が直接的あるいは間接的に反映することとなった。対する文学の研究もまた、文学作品の研究を通じて、社会の有りようとその来るべき変化の方向を読み取ろうとしてきた。
今日、おおよそ1990年を境として、東南アジアの多くの地域において新しい社会的、政治的な変化が生じつつあることは、否定できないであろう。ベトナムにおけるドイモイ政策の開始、マレーシアのペトロナス・ツインタワーに象徴される経済発展、アジア金融危機に端を発するインドネシアのスハルト政権の崩壊とそれに続く民主改革は、これらの変化を示す代表的なできごとである。これらの動きを端的に言いあらわせば、冷戦的イデオロギー対立の衰退、市場経済の進展と都市中間層の台頭、本格的なグローバル化による人、もの、情報の過剰なまでの越境、に集約できよう。
社会の新しい動きに呼応して、東南アジアの文学のなかには、内容あるいは形式においてこれまでの文学とは一線を画す動きが現れつつあるようである。むろん、具体的な作品のあり方は、それぞれの地域固有の力学によって、あるいは、文学者の意思によって、多様な形をとることになろう。しかし、にもかわらず、そこには今までにない胎動が通底していることを感じることができる。また、過去の文学に対しても、新しい視点から読み直されることによって、新たな評価が下される動きも生じている。このような東南アジアの今を前にしたとき、東南アジア文学の研究者には、21世紀にふさわしい新しいアプローチが要請される。
このシンポジウムでは、東南アジア文学の今を取り上げ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、タイ、カンボジアの文学の研究者に報告をしていただくとともに、東南アジア地域の文学の立場からと、地域を離れた文学の立場からそれぞれコメントをしていただくことによって、東南アジアの文学の今を考えていくことを狙いとしている。聴衆の皆様にも東南アジアの文学の今を感じていただければ幸いである。
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観光学部 早期体験プログラム(マレー半島)報告会
2008年10月03日 · FYI
日時: 10月10日(金)4限(14:50-16:20)
場所: N212教室
内容:
8月中にペナン、クアラルンプールでフィールドを行った観光学部一年生2班から3グループが報告し、質疑を受けます。
連絡先: 観光学部舛谷研究室
※※来聴歓迎※※
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プラットホームカフェ
2008年08月06日 · Malaysia
旧クアラルンプール中央駅に鉄道ミニミュージアムができたと聞いて見に行った。KTMビル、ステーションホテル側のコンコースに、去年は仕切りしかなかったのが、見事に展示完成。KTMファンクラブの面々の仕業。ホームにも消防車などが飾ってあるが、今回の大発見はプラットホームカフェ。駅舎の大屋根の下、ホームで電車を見ながら飲み物と食事が楽しめる。現在使われているホームは真ん中の2,3番線一本だけで、カフェはホテル側の1番線ホームだから切符なしで自由に入れる。ぜひ続けて営業してもらいたいものだ。
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プレアビヒアかカオプラウィハーンか
2008年07月08日 · Cambodia, Thailand
カンボジア、タイ国境の山上遺跡プレアビヒア(タイ語名カオプラウィハーン)がカンボジア側からの申請で世界遺産リストに登録されたが、本体のみ申請で当初同意していたタイ側でナショナリズムが昂揚し、外相辞任の騒ぎとなっている。アンコール時代のヒンドゥー寺院なので、サマック新政権が認めたのもわからないではないが、実際の見学時にはタイ側からのアクセスが現実的とのこと。20世紀初頭、アンコール遺跡のあるシェムリアップ州が一時シャム領だったのを、フランス植民地政府が取り返した功が言い伝えられたり、2003年のタイ人女優の「アンコールワットはタイのもの」発言でカンボジアで反タイ暴動が起きたり、両国の遺跡とナショナリズムは領土問題を超えて不可分のようだ。
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静かなPC
2008年07月04日 · Computer&NET
3万いくらで買ったThinkpad x40のHDがコロコロ鳴き出した。N社の高橋名人に「いまにも壊れそう」と言われ、それでは交換と開けてみたら日立製1.8インチの40GBだった。アキバでときどき見かける東芝製はだめらしく、2.5インチHD内蔵のx31の中古価格が下がらない理由がわかった気がした。すでに製造中止の日立1.8インチはぷらっとホームで20GBが1万で手に入るものの、この際ASUSのEee PC張りにゼロスピンドル化することに。ただし5月現在、SSDは120GBで10万円割れが価格破壊だそうで、値段がこなれていない。Ubuntu上でOpenOffice、ウェブ用と割り切って、内蔵CF8GB(OS,アプリ)+SDスロット4GB(データ)としてみた。内蔵の方はCF-IDE変換コネクタを介して接続。IDE44ピンは1.8インチ/2.5インチ共通で安いのもあったが、速度重視で玄人志向KRHK-CF2.5IDE(2000円弱)を購入。これと266倍速表示のTranscend 8GB CFあたりが定番のようだが、あきばお〜でシリコンパワーの200倍速表示を3000円台で発見。データ用はClass6(転送速度6MB以上)の4GB SDがドスパラで1000円台。
メモリの何倍速は規格でなくメーカー表示のようで、CDの150KB/秒が基準とか。書き込み速度表示がエチケットだろうが、読み出し速度を書いて早く見せていることも。2006年にSDHCカードとともに「SDスピードクラス」が規格化され、読み書き時最低速度がClass2で2MB/秒、Class4で4MB/秒、Class6で6MB/秒とわかりやすくなった。規格は最小値、実測なのでClass6=40倍速は遅く感じるが、そもそもメーカー表示が羊頭狗肉だったのかも。
Ubuntuは802.11gの内蔵無線LANカードを初期設定で認識するなど、今のところ問題なし。標準のOpenOfficeもバージョン2.4でオフィスのXMLフォーマット(拡張子docx,xlsx,pptx)の読み込み、再現もまずまず。CFはTrueIDEモードがないと起動ディスクにならなかったようだがセーフ。あとは内蔵CFがフラッシュドライブの書換回数制限(MTBFは時間表示)を超える前に、SSDの値段が下がるのを待つのみ。無音、低発熱で他のPCがうるさく感じるようになった。
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